こんにちは!犬の管理栄養士のぽこぽこです。
そろそろ梅雨入りの季節ですね。人間も熱中症に気を付けないといけませんが愛犬たちも気をつけてあげないといけません。
我が家の愛犬がちゃんと十分な水分が取れているか不安になりませんか?
この記事を読めば愛犬に必要な水分量とチェックするポイントがわかります。
水分補給が必要!不足するとどうなる?
水分が健康のバロメーターでもあり不足すると様々な不調の原因にもなってしまいます。それだけに、愛犬が水を飲んでいないと不安になってしまいますよね?不足するとどうなるか解説していきます。
ほぼすべての動物は、生きていくために水を必要としています。水分は犬の体内の60~80%を占めています。生きていくために必要不可欠なものです。
5大栄養素と言えば
・タンパク質
・炭水化物
・脂質
・ビタミン
・ミネラル
ですが、ここに水を加えて「6大栄養素」とも呼ばれます。
それほど、水は犬にとって重要なものです。
水について
水は、生命維持に絶対に必要なもののため、エネルギーには変わりませんが、最も大切な栄養素と考えられており、以下のような重要な機能を果たしています。
・水は物質を溶解させ、その溶解した物質と体内を維持するための溶媒として働く
・水は加水分解を含む多くの化学反応に必要
(例えば、炭水化物・タンパク質・脂肪の酵素消化)
・水は体温調節を支え、高い比熱を示す
(比熱:1gの水を1℃上昇させるのに必要な熱量)
・水は体に弾力性を与え、水分バランスがマイナスに傾くと脱水症状が生じる
若くて痩せている個体ほど水分量は多くなり、太っている個体ほど水分量は少なくなります。
水が不足すると
【脱水時など病的時の飲料の作り方】
1⃣水:一度沸騰させた水1L
2⃣砂糖:大さじ4+1/2杯(40g)
3⃣塩:小さじ1/2杯(3g) 以上を加えて出来上がりです。
犬に必要な水分はどのぐらい?
人間の場合はのどの渇きでだいたい1日に必要な水分量はわかります。それでも現代人は水分不足と言われています。
しかし、言葉の離せない犬の場合は飼い主がある程度必要な水分量をわかっていないと、気が付かないうちに水不足になってしまう危険性があります。
※通常、犬は水が好きなので若くて健康な犬ならちゃんと自分で飲みます。
1日に必要な水分量の求め方
水分要求量は、犬の水分バランスの維持と関係があり、排尿・排便・蒸発などの状態によります。
1日当たりの水分要求量はml/日で表されており、kcal/日で表される1日当たりのエネルギー要求量(DER)とほぼ同じとなります。
犬のDER次のように求められます
1日当たりのエネルギー要求量(DER)=係数×安静時エネルギー量(RER)
RER=70×(体重)の0.75乗
ここで体重の0.75乗を用いるのは。正確な代謝量を図るために、体重の中から脂肪重量を差し引いているためです。
平均的な成犬の係数は1.6となります。
※RERの計算方法
RER=体重×体重×体重=√√×70
例)体重3kgのRER
3kg×3kg×3kg=√√×70=159.565…
160ml
160mlに係数の1.6をかけると256になります。
したがって体重3kgの平均的な成犬の1日に必要なカロリーは256kcal/日、水分要求量は256ml/日となります。
注意)
①体重を3回かけた後には、必ず、=(イコール)を一度入れましょう。
②係数は犬のライフステージによって変わります。
ライフステージ別係数
成長期
- 離乳から4ヶ月齢までの子犬の係数=3.0
- 5ヶ月齢から9ヶ月齢までの子犬の係数=2.0
成体期
- 肥満でない避妊去勢をしていない成長した犬の係数=1.8
- 肥満傾向の場合=1.4
- 減量させたい場合=1.0
繁殖と泌乳
- 初めの42日間=1.8
- 43日目以降=3.0
- 泌乳が終わるまで=4.0~8.0(出産数による)
体重別必要量の目安
犬が水を飲まない時に考えられること
犬があまり水を飲まないなと感じた時、その原因は大きく5つ考えられます。
1.加齢によるもの
水を飲む量には、犬の年齢が関係する場合があります。6~10歳を越えたシニアの場合だと、代謝そのものが低いことや、喉の渇きに鈍感になってしまったり、水を飲む機会が減ることがあります。
2.気温・気候変化によるもの。夏バテ・熱中症など
冬場は体温も上がりにくく代謝も上がらないもの。当然、水の摂取量も減ります。しかし、必要な水分量には変わりありません。結果的に寒い冬に水分不足を招いてしまします。一方、夏季には、夏バテや熱中症などで体内の水分が不足しがちです。体調不良で吐き気などの不快感がある場合なども水を飲まなくなりますので注意が必要です。
この場合、最も簡単な対策方法は、食事をドライからウェットフードに切り替えたり、ドライフードにスープをかけたりして食べ物として水分を摂らせるようにする方法です。
3.食事で摂取できている
食事がウェットフードや手作りご飯だった場合、そもそも食事の水分含有量が多いので、さほど水を飲まないというパターンがあります。
(ドッグフードの水分量)
ドライフード・・・10%程度が水分
ソフトドライ・セミモイスト・・・25~35%が水分
ウェットフード・・・75%が水分
ウェットフードの場合は、かなり水分の割合が高いため、飼い主さんが意識をしなくてもかなり水分が摂取できているケースが珍しくありません。また、ドッグフードの他に野菜やフルーツを与えている場合、おやつを与えている場合も、同じ理由から水分を補給できている可能性があります。
4.水の容器が合わない
特に外出時・ドッグランへ行った時など、水容器を貸し出してくれるところもありますが、他の犬が使ったものですし、素材も普段使っているものと違っている場合などは、あまり水を飲んでくれないときがあります。自宅の水飲み場の高さを変えたり、外出中でも飲んでくれる持ち運びしやすい容器を見つけておくといいですね。
5.いずれにも該当しない
もし、いずれにも該当しない場合には体の不調を疑った方が良いかもしれません。歯周病や口内炎などで口の中に疾患があり痛みを生じているため、またはヘルニアの症状が出て水を飲む体勢が取れないなど、様々な理由が考えられます。そういったことが考えられる場合には動物病院で診察を受けてみることも手段の一つです。
犬の水分不足のチェック方法
犬の水分不足の予防・改善方法
水分不足はとても怖いものですが、どのように予防・改善していけばいいでしょうか?この章では、犬の水分不足の予防・改善方法について解説していきます。
対策をする上で大事なポイントは、愛犬の個性や特徴に合わせて対策を考えることです。
1.水の与え方を工夫する
水分補給の基本は、冷たい新鮮な水を与えます。犬によっては冷たい水を好まない犬もいます。
そのような場合は、水の与え方を工夫することが効果的な対策になります。
・冷たい水では、1日に数回は替え、常に新鮮な状態にする。
・氷を好む犬ならば、氷を水に浮かべたり砕いた氷を与える。
・冷たい水を好まない場合はぬるま湯を与えてみる。(ぬるま湯の方がまろやかになり、冷たい水より飲みやすいと言われています。)
・犬用のスポーツドリンクを与えてみる(少し味がついているため喜んで飲む可能性がある)
2.ごはんの内容を変更する
水分の摂取はフードから取っても問題ありません。ドライタイプのフードには10%ほどしか水分が含まれていませんがウェットフードには75%もの水分が含まれています。
中でもおすすめはこちら⇒PETOKOTO FOODS
水分摂取のためだけにウェットフードだけに偏るのはあまりよくありませんがドライフードのみのごはんよりは犬の健康のためには手作りフードのペトことフードがおすすめです。
3.ドッグフードにぬるま湯をかける
ドライタイプのドッグフードにぬるま湯をかける方法もあります。この方法は、水分補給対策になるだけではなく食欲不振の改善に繋がる可能性もあります。というのも、ぬるま湯をかけることでご飯の香りが強くなり、犬の嗅覚をより強く刺激するようになるためです。ぬるま湯の代わりに、お肉やお魚を煮出したスープもおすすめです。
4.ゼリーやフルーツを与える
あげすぎると肥満の元になりますので注意が必要です。
まとめ
犬にとって、水は生きるために不可欠なものです。愛犬にとって必要な水分摂取量を知り、いつもちょうど良い量を出してあげることで、ペットの健康を保つと同時に飲水量の変化に気づきやすくなります。もし、摂取量が不足している場合には、不調や元気がないことの原因にもなってしまうため、飼い主さんは犬の様子を注意深くチェックすることと、水分補給ができるように働きかけをすることが予防と病気の早期発見にとってとても大切です。
①水の与え方を工夫する
②ごはんの与え方を工夫する
③ごはんをぬるま湯でふやかす
④ゼリーやフルーツを与える
犬の個性や様子を見ながら、ご自身の愛犬にあわせた対策をぜひ考えてください。